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【後半】 社長必読!IPO準備前に決断すべき5つのこと
本記事は、これから株式上場(IPO)を目指すスタートアップの経営者・CFO・管理部門責任者の方々に向けた実務ガイドです。IPO準備は3年以上にわたり、法令・ガバナンス・会計・人材マネジメントなど多岐にわたる課題に同時並行で取り組む必要があります。上場を支援してきた飯田橋のコンフィアンス税理士法人が、税務・会計の専門家の視点から、経営者が早期に知っておくべき論点と失敗しない進め方を解説します。後編では会計・財務周りに関する課題から外部機関との連携について解説し、リスク対策に事例をもとにお伝えしますのでご参考にしていただえますと幸いです。読み終えるころには、自社に必要なタスク量とリソース、そして当法人に相談するメリットを具体的にイメージできる構成になっています。IPO準備の第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
会計システム導入から監査法人選定、経理体制整備まで
IPO審査の根幹は『財務諸表の信頼性』にあります。そのため、会計方針の策定、監査法人との協業、月次決算早期化、予算実績管理など、経理財務領域の成熟度がダイレクトに評価されます。当法人は税務顧問としてだけでなく、会計方針メモ作成やIFRS任意適用の可否判断まで踏み込み、監査法人・主幹事証券との三者協議に同席しながら解決策を提示します。
会計方針の策定と会計システム選定・クラウド運用のコツ
まず、自社のビジネスモデルに合致した売上計上基準を確定し、経過勘定やポイント還元など複雑取引を取扱説明書として文書化します。次に、仕訳自動化率・承認フロー・予算連携を軸にシステムを選定し、クラウド運用で監査法人との共有を容易にします。
システム移行はフェーズ分割(設計・移行・並行稼働)を徹底し、期中移行リスクを回避しましょう。
監査法人・印刷会社との契約プロセスと費用・手数料の比較
監査法人はショートレビュー後に正式契約を締結するのが通例で、監査報酬は売上規模とリスク評価に応じて決定されます。加えて、証券印刷会社への招集通知・目論見書印刷費用が発生し、見落としがちなコストとなります。当法人からも今までの経験・人脈から、価格交渉時のベンチマークも提示可能です。

経理体制と財務レポート作成フローの整備
月次決算を5営業日以内に完了し、翌週には経営会議へ報告書を提出できる体制が理想です。そのためには、締日前倒し処理と固定仕訳の自動計上、部門長レビューのタイムライン統一が欠かせません。当法人が提供する『早期化ワークショップ』では、現行フローを時系列分析し、決算作業完了時期を30%前倒しすることが可能です。
債権・請求・管理システム整備で業績リスクを低減
未収金が増加するとキャッシュフロー予測が狂い、資本政策に影響を及ぼします。SaaS型請求プラットフォームを導入し、入金消込と督促を自動化すれば、回収サイト短縮とミス撲滅が可能です。当法人は会計・税務も踏まえた観点での引当金設定と併せて、債権年齢分析表の作成手法をレクチャーしています。
証券会社・主幹事・弁護士など外部機関の選定と連携

外部機関の選定は、審査通過率と上場後の市場評価を左右する重要意思決定です。特に主幹事証券は、引受リスクを負うだけでなく、適時開示やIRの伴走者となるため、事業フェーズに合ったマーケットカバレッジが求められます。また、弁護士はコンプライアンス体制構築の要、監査法人は財務報告の番人として機能し、三者の連携が取れて初めて上場準備が加速します。
証券会社・主幹事を選定する5つの基準と市場適合性
1.取扱実績
2.業界カバレッジ
3.アナリスト評価
4.株主層の拡張性
5.手数料レート
が主な基準です。IPO後に海外投資家を取り込みたい場合はグローバルネットワークを持つ証券を選ぶなど、成長戦略と合わせて検討することが重要です。
弁護士・企業法務の役割とコンプライアンス支援
弁護士は労務・知財・契約書レビューだけでなく、上場審査質問票への回答文案作成や取締役会議事録のリーガルチェックも担当します。複数弁護士が関与する場合は、窓口を一本化しないと情報齟齬が発生するため、当法人が連携ハブを担います。
監査法人・証券取引所との連携プロセスと時期
N-1期に入ると、監査法人・主幹事証券・会社の三者会議が月次開催となり、取引所ヒアリングの想定問答を準備します。この段階で経営陣が欠席すると、回答整合性が取れず審査が長期化するため、CFOがスケジュール管理を徹底しましょう。
失敗事例から学ぶリスク対策:費用・手数料・債権管理まで

成功事例だけを参考にすると、想定外コストや突発トラブルに対応できません。ここでは、実際に上場申請を取り下げた企業のケーススタディを紹介し、リスク検知ポイントを具体的に示します。費用オーバーラン、開示ミス、債権滞留といった典型的な失敗要因は、早期に兆候を掴むことで回避可能です。
上場準備でよくある失敗要因と事業計画の見直しポイント
売上高成長率が事業計画を下回ると、主幹事証券は上場時期を延長する判断を下します。市場環境の悪化だけでなく、自社の営業KPI遅延が原因の場合は、計画値を現実的なラインにリセットし、リカバリプランを提出することで信頼を維持できます。
費用・手数料オーバーランの原因と対策
監査法人の追加作業費、印刷会社の増刷費用、システム改修の追加見積もりが費用膨張の主因です。当法人では、予算対実績レポートを月次で共有し、5%超過時点で発注停止ラインを設定する仕組みを提案しています。
資料・株式開示ミスによる上場審査ストップ事例
Ⅰの部の訂正箇所が50カ所を超えた企業は、審査中断後に半年以上の遅延が発生しました。原因はバージョン管理ミスとレビュー体制不備です。
当法人は『二重承認ルール』と『差分抽出ツール』の導入で、修正漏れゼロを実現しました。
債権管理遅延が業績へ与える影響と復旧策
売掛金回転日数が延びると、キャッシュ不足から広告投資や採用計画が凍結され、成長シナリオ自体が崩壊します。即効策としては、ファクタリングやABLで流動性を確保しつつ、根本原因の与信審査フローを修正する必要があります。
まとめ:社長がIPO準備前に下すべき5つの意思決定
ここまで解説してきた通り、IPO準備は組織・資金・時間の三要素を同時に投下する企業変革プロジェクトです。経営トップが曖昧なまま走り出すと、途中で方針転換が頻発し、社員の疲弊とコスト増大を招きます。最後に、社長が着手前に下すべき五つの意思決定を整理し、確固たるロードマップ策定を促します。
決断1:IPOプロジェクトの範囲と体制を明確化
IPO準備の対象領域を宣言し、部門長のコミットメントを確保しましょう。専任PMOの設置と権限委譲を同時に行い、意思決定のボトルネックを排除します。
決断2:スケジュール・期間・リソース配分の策定
3年以上のロードマップを逆算し、フェーズごとに必要人員と予算を割り付けることで、後手対応を防ぎます。リソース不足が発覚した時点で、社外支援の可否を即決できるようガイドラインを事前に作成します。
決断3:外部機関選定と費用ガイドラインの設定
監査法人・主幹事証券・弁護士の候補を複数リストアップし、比較表で透明性のある選定を行います。費用上限を役員会で承認し、追加コスト発生時のエスカレーションルールを確立しましょう。
決断4:内部統制・ガバナンスの強化方針
内部統制は単年度では完成しません。まずはリスク評価の方針と独立した内部監査室の設置を決定し、継続的改善の文化を根付かせることが重要です。
決断5:事業計画・業績目標と投資家コミュニケーション戦略
成長ストーリーが語れないIPOは市場から評価されません。定量目標とKPIを設定し、投資家向け説明資料に一貫したメッセージを盛り込みましょう。
IPOの準備ならコンフィアンス税理士法人にご相談ください
IPOは『やりながら学ぶ』にはリスクが大きすぎる挑戦です。当法人は、大手アカウンティングファーム出身の公認会計士・税理士が中心に多様なバックグラウンドを持つ在籍公認会計士や税理士など多数の専門家が在籍し、豊富な知識と経験を活かし、企業に寄り添った支援を行います。激務を乗り切る体制整備から監査法人・主幹事証券との折衝同席まで、ワンストップで伴走いたします。まずはお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話でご連絡ください。貴社の上場成功を、私たちが全力でサポートいたします。
この記事を書いた人
共同代表
(公認会計士・税理士・CFP)
熊谷 和哉
2000年有限責任監査法人トーマツ入社、上場会社の会計監査とともに、会計基準対応・IPO支援・内部統制構築等アドバイザリー業務に従事
2021年、20年超所属したトーマツ退社後、これまでの経験・知見を活かして自らが主体となるべく、デロイト トーマツ出身者を中心とした税理士法人・会計コンサルティングファームであるコンフィアンスグループを設立し共同代表として参画
